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犬CRP測定器を導入しました

体の炎症の程度が正確に検査できるようになりました。

 (急性期の病気の診断と治療の効果判断に有効)

イヌC反応性蛋白濃度測定装置を導入しました。

生体に感染や組織傷害などのストレスが加わった際に、これに反応して短時間に血中濃度が変動する急性期蛋白の一つ。代表的なのがC反応性蛋白(CRP)であり、ヒトと犬では炎症のマーカーとして使用されています。
(猫ではCRPは通常でも比較的高値を示し、炎症刺激に対する反応が敏感でないため炎症マーカーとして不向きです)

*犬のCRPはヒトの検査器具で測定できず専用の測定器が必要です。

CRPとは、炎症や組織破壊がおこると、6時間頃より急激に増加し、24時間くらいで最高値を示します。改善すると5~7時間でCRPは減少するので、(1)炎症の有無、(2)炎症の程度、(3)治療中の効果の判定に非常に有効でしょう。

動物病院では、病院内にある生化学機械で肝機能、腎機能など、血球計算器で各種血球数など、血液ガスで体の酸塩基平衡などが検査できるのが一般ですが、CRPは検査センターに出さないと分かりませんでした。

今回、院内でも検査できる犬CRP測定器を導入し、その場で検査結果が出るので、より的確に診断ができるようになりました。この検査器具は他の血液検査と違ってCRP1項目しか検査できませんが、よりよい治療のため導入しました。

《CRP検査結果》
0~1mg/dlが正常値(小数点第2位まで測定)
1~5mg/dlの場合は軽度の炎症あり
5~10mg/dlの場合は中程度の炎症あり
10mg以上の場合は重度の炎症あり

 •20mg/dlまで測定可能
 •歯が綺麗で、皮膚疾患もない健康な犬では0.05以下の数値を示します。
 •重度の皮膚疾患があっても皮膚の炎症では、4以上を示さないのがほとんどなのでそれ以上高い場合は通常、他に原因があります。