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血液凝固検査器具導入しました

血液の凝固能を検査する医療器具です。
(各種手術の際に血液の凝固能を検査します)

当院では、病気による手術の際に出血がちゃんと止まる(凝固能に異常がない)のを確認して手術を実施しています。
また、避妊手術、去勢手術など病気でない手術の際には、この凝固検査を手術当日にお勧めしています。
血液が固まる(凝固)するメカニズムは複雑でいろいろな凝固因子などが関係しています。

*今までは、ACT(全血活性凝固検査)を各種手術当日に実施して血液凝固異常がないのを確認していましたが、この検査キッドの販売が中止になり、院内での迅速な凝固検査ができなくなり新たに院内で検査できる医療器具を導入することになりました。

*手術の際に、血液凝固検査やCBC(赤血球、白血球、血小板など)を行い血液凝固能を確認しています。 (これは手術当日に行う検査で、ある程度の年齢になって事前に行う検査とは違う検査です)
※以下参考

●凝固検査項目

・PT(プロトロンビン時間:prothorombin time)
血液が固まる(凝固)するには、血管内(内因系)と血管外(外因系)の凝固因子がともに作用します。このうちの血管外の組織中の凝固因子の異常を検出するのがプロトロンビン時間です。異常があると凝固時間は延長します。

・APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間:activated partial thromboplastin time)
血液が固まる(凝固)するには、血管内(内因系)と血管外(外因系)の凝固因子がともに作用します。このうちの血管内の組織中の凝固因子の異常を検出するのが活性化部分トロンボプラスチン時間です。異常があると凝固時間は延長します。

延長疾患:プロトロンビン欠乏症、肝障害、ビタミンK欠乏症、DIC、第Ⅴ因子欠乏症、第Ⅶ因子欠乏症、第Ⅷ因子欠乏症(血友病A)、第Ⅹ因子欠乏症、第ⅩⅠ因子欠乏症(血友病B)、von willebrand病などで凝固時間は延長します

●血小板数の検査

CBC検査の中で血小板数も測定します。血小板が5万以下になると血液が止まりにくくなる疾患(血小板減少症)が希にあります。潜在的に血小板が少ないと手術の際に出血が止まりにくいケースもあるので手術当日に血小板数を確認して手術を実施します。通常、血小板は4日で変動するので事前に検査していても手術当日にも検査を実施します。

延長疾患:突発性免疫介在性血小板減少症

●貧血の検査

赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値を検査して貧血の有無を検査します。