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2008年度医療器具導入

富士ドライケム7000V、オリンパス内視鏡TVシステム

サム動物病院では的確な診断の一助として、毎年、医療設備の充実に力を入れています。

●富士ドライケム7000V(動物用生化学自動分析装置)

以前から使用していた富士ドライケム3000が古くなってきたので、2008年に新しいタイプの富士ドライケム7000Vに生化学検査器具を変更(買い替え)しました。

以前の旧式のタイプとの違いは、検査スピードが約2倍速くなったのと、5検体まで同時にセット可能なので、血液検査が数件重なった場合、いちいち前の検査が終了するのを待ってから検査を開始する必要がありません。
また、検査数値が検査範囲外の場合、再検査で自動希釈して正確な検査数値を算出します。

*当院で血液検査を行った場合、必ず血液検査データーは綺麗にプリントアウトして(検査結果シート用紙も添えて)飼い主の方にお渡ししています。

*人と違って動物では検査数値が測定範囲を超えることが多々あります。例えば、検査数値が1000以上で測定不能な場合、数値が1001なのか2000なのか分かりません。できれば正確に検査数値を再検査する必要があります。新しいタイプでは、検査結果がオーバー測定不能な場合、数倍希釈して正確な数値を測定することも可能です。

●オリンパス内視鏡TVシステム

内視鏡でファイバースコープを覗きながら検査するのではなく画像を液晶TVモニターに映し出して内視鏡検査できるシステムです。

人と違って動物では原発性の胃がんの発生は非常に少なく、また動物では(人の場合と違って)内視鏡検査を行うにあたり全身麻酔が必要なのであまり検査を行う機会は少ないです。よって動物病院では内視鏡を使用するケースは異物誤飲の場合がほとんどです。使用頻度は少ないが、動物病院にはなくてはならない医療器具でしょう。
今まではファイバーを覗く術者しか画面を見れませんでしたが、このシステムでは手術室のスタッフ全員が見れるので、異物除去ではスタッフ数人の共同作業なので効率アップします。

異物誤飲の場合、内視鏡では口~胃まで、手術では胃~大腸までの異物を摘出できます。(レントゲンで写らないなどの)異物誤飲の可能性がある場合の開腹手術(試験開腹手術)では、手術前にまず内視鏡で食道などに異物がないか確認してから手術を実施して口~大腸までに異物があるか確認できます。

*その他:動物病院では、内視鏡の検査は年間行う症例は前述のごとく少ないにもかかわらず、通常の内視鏡装置は院内で置いておくだけで広いスペースが必要です。(本システムは少ないスペースで管理でき院内スペースを有効的に利用できます)

●アスピレーター

吸引器は、獣医療において色々なケースで使用します。麻酔中の気管チューブ内の分泌物の吸引用1台(150ml)と開腹手術時などの腹腔洗浄用などとして2台(1.5l用)ありますが、今回4.0l用を新たに導入しました。
吸引器は、特に腹部軟部外科では必要な医療器具です。