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院内でできる簡易検査

血圧の測定/細菌感受性試験/真菌培養検査など

当院では、各種血液検査、レントゲン検査、超音波検査、心電図検査以外にも以下の簡単な検査も行うことができます。

●その他の院内でできる検査

1)犬と猫の血圧の測定   *院内で検査できます  
・中齢以降の猫では時として、慢性の腎不全に陥ります。慢性腎不全では多く水を飲み、多く排尿し、徐々に痩せて来院するケースが多いようです。よく吐き、便秘ぎみの場合もあります。高血圧から眼底出血やふらつきで来院するケースも稀にあります。腎不全の猫の血圧を測定するとかなりの割合で高血圧になっています。腎不全の治療以外に血圧のコントロールも必要でしょう。

最近のアメリカの獣医学レポートでは、慢性腎不全の猫の多くで、高血圧を示す場合が多く、食餌療法以外に血圧をコントロールするのも延命効果があると報告がありました。当院では慢性腎不全の猫では血圧を測定し、正常値よりもかなり高血圧を示した猫には血圧を下げる薬を投薬しています。(正常値以上でもすぐに投薬ではなく、正常値よりもかなりの高血圧の場合のみ内服が必要です)

*猫の性格によっては検査自体ができない場合があります。(検査では必ずリラックスしないと正確な数値が出ない)
*検査は診察室以外の部屋に猫を移動させ、時間をかけて血圧を6回測定し、そのうちの4回の平均値をデーターとして採用しています。(土日祭は検査できない場合があります)
*かなりの高血圧を示す場合、大量に補液を行うと循環器系に悪影響を示す場合があります。
*猫の血圧は、一般的な血圧測定器では測定できません。専用の動物用血圧測定器が必要です。
*検査代 500円  
*慢性腎不全では血液検査以外に、血圧の検査、超音波検査も必要です。(稀に、腎リンパ腫、腎のう胞、腎腫瘍の鑑別の為)

・中齢以降の犬では突然、平衡感覚がなくなり頭の傾き(斜頚)を示す症状を示す場合、血圧の測定をお勧めします。脳腫瘍以外、高血圧から軽度の出血や梗塞を起こし早期発見できた場合は、その後、薬でうまくコントロールできる場合もあります。

2)細菌感受性試験   *サンプルを依頼検査します
・慢性の細菌性疾患では薬剤感受性試験が実施できます
感受性検査とはその細菌に対して抗生物質が効果があるかどうか分かる検査です(難治性外耳炎、スクーリーニング検査で異常細菌がある場合は検査を実施します)。

・膿を培養して専用のキッドで15種類の抗生物質に効果のある無しが約2日~3日で分かります。

3)真菌培養検査  *院内で検査できます  
・皮膚の真菌培養検査ができます。

・検査結果はだいたい1週間~2週間かかります。

・皮膚の真菌症では長期間にわたって抗真菌薬の内服が時として必要になります よって診断には正確性が必要になり院内での検査が重要になります。

・ウッド灯だけで診断すると時として診断を間違える場合もあるので確実に培養して真菌を診断します。